あの時の除雪車のお兄さん元気かな

前回の続き

■2年目:帯広市

人口200万人の札幌とは打って変わって道東の人口16万人程度の街である。札幌からは180km離れていて、ちょうど地元である盛岡市と学生時代を過ごした仙台市の距離と同じくらい。

4月に入職した際には勝手の違いに非常に苦労したものだったが(例えばまったく違う電子カルテシステムに変わるとか)新たな同期に助けられてなんとかやっていけた。それは別の機会に書くとして、4月から5月にかけての帯広では前に進めないほどの強風に苦労した。こんなにも風が吹くことがあるのかと思った。どこから、どうして風が吹いてくるのか調べたこともあったが結局原因はよくわからなかった。誰か教えてください。

夏は非常に暑かった。最高気温が37℃に達することもあった。救急外来では熱中症患者が絶えず搬送されていたが、自分の当番の日には1人も来なかった。8月にはレンタカーを借りて池田町までうどんを食べに行ったが、士幌町でそのレンタカーをぶつけられてしまった。上士幌町のナイタイ高原に行った。梅雨がない北海道の中でも、とりわけ帯広を含めた十勝地方は雨が少なく過ごしやすいのだが、米の生育には不適なようで、十勝には田んぼがなく一生ジャガイモとトウモロコシの畑が広がっている。たまに牛もいる。長閑な風景である。

9月、10月は北海道を不在にしていたため秋の深まりを感じることなく、11月に戻ってきた際にはすでに冬の様相であった。冬は気温が低いが雪が少なく比較的快適だったのに、2022年1月半ばに大雪が降り生活は一変した。札幌ほどの除雪力がない上に(道路は広いのに除雪車の数が足りないなど)住民も自分を含め雪かきに慣れていないため、歩道は地獄絵図だった。徒歩10分程度の通勤だったが3倍くらいかかるようになった。それでも、除雪車の皆さんは夜を徹して作業にあたってくれていた。クルマ社会なので、歩道の除雪が後回しになるのは当然のことでもあった。

帯広の冬はかなり寒く、−15℃ 程度に冷え込むことが多いため −10℃ 程度であれば動じなくなってしまった。一度だけ −20℃ に達した日があったが、さすがに耳が痛かった。

帯広の指定ごみ袋は非常に高価である。燃えるごみ/燃えないごみ共に40L 5枚で600円と札幌の1.5倍もする。仙台市に住んでいた時は45L 10枚で400円だったため、札幌に引っ越した時には値段に驚いたものだったが...。ごみ処理費用をごみ袋の購入を通じて負担すべきだと思っているのは変わらないが、実際帯広市のごみに対する取り組みの現状について何も知らない。ごみ袋が高ければごみは減るのだろうか?調べてみようかな。

全国的に見ても帯広市のごみ袋は最も高額な部類に入るらしいが、インターネットを繰ってみると全国最高額は長崎県佐世保市らしい(45L 1枚 200円、ただし市民には補助があるらしい)。

帯広に住んでいた1年間は楽しかったし、今は散り散りになってしまった同期も仲良くしてくれた。街としてはもっとお店が欲しかったが、ネットストアでかなりカバーできるし、暮らす分には支障ない範囲であった。札幌まで遠すぎることを除けば住みよい街である。

十勝はなんでも食べ物が美味しいんでしょと言われるが、正直何を食べても美味しく感じるおめでたい舌を持っているので、これまでとそんなに差を感じなかった。これまで美味しいものばかり食べられる恵まれた環境であったのだと思いたい。

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ナイタイ高原(上士幌町)からの景色 2021年8月


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ナイタイ高原に向かう途中にいた牛たち